社内Wi-Fiと来客用Wi-Fiを分ける理由|従業員の私物スマホはどちらにつなぐ?

社内Wi-Fiと来客用Wi-Fiを分ける理由
来客から
「Wi-Fiを使わせてもらえますか」
と聞かれることがあります。
打ち合わせ中に資料を確認したい。
オンライン会議へ参加したい。
携帯電話の電波が弱い。
そのような場面でWi-Fiを案内すること自体は、特別なことではありません。
ただし、社員が使用している社内Wi-Fiのパスワードを、そのまま伝える運用は見直すべきです。
来客を疑うためではありません。
会社が管理している端末と、管理できない端末の接続先を分けるためです。
社内Wi-Fiの先には業務機器がある
社内ネットワークへ接続されているのは、パソコンだけではありません。
- 複合機やプリンター
- NASや共有フォルダー
- 監視カメラ
- IP電話機
- ルーターやアクセスポイント
- 業務用タブレットや各種IoT機器
来客の端末を同じネットワークへ接続すると、設定によっては、これらの機器へ通信できる可能性があります。
すぐに情報が盗まれるという意味ではありません。
しかし、インターネットだけを使ってもらえばよい端末に、社内機器へ到達できる経路を用意する必要もありません。
従業員の私物スマートフォンも管理外端末
従業員の私物スマートフォンも、原則として社内Wi-Fiへ接続させない方が安全です。
会社側では、次の状態を完全には確認できません。
- OSが最新か
- 不審なアプリが入っていないか
- 家族と共用していないか
- 適切な画面ロックが設定されているか
- マルウェアへ感染していないか
本人に悪意がなくても、会社が管理できない端末であることに変わりはありません。
そのため、私物スマートフォンで個人的な通信を行う場合は、来客用Wi-Fiへ接続させる運用が現実的です。
整理すると、次のようになります。
社内Wi-Fi
- 会社支給パソコン
- 会社支給スマートフォン
- 業務用タブレット
- 複合機
- NAS
- その他、会社が管理している機器
来客用Wi-Fi
- 来客のスマートフォンやパソコン
- 従業員の私物スマートフォン
- 従業員の私物タブレット
- 外部業者が一時的に持ち込む端末
来客用Wi-Fiからは、インターネットだけを利用できる状態にします。
Wi-Fi名を分けるだけでは不十分
例えば、次の二つのWi-Fi名を用意したとします。
- Office-Staff
- Office-Guest
見た目は別のWi-Fiですが、その先が同じネットワークにつながっていれば、十分な分離とはいえません。
重要なのは、Wi-Fi名を分けることではなく、通信経路を分けることです。
来客用Wi-Fiからは、次の通信を遮断します。
- 社内パソコンへの通信
- 複合機やNASへの通信
- 監視カメラへの通信
- ルーターの管理画面への通信
- 来客端末同士の通信
機器によっては、ゲストネットワーク、VLAN、ネットワーク分離、プライバシーセパレーターなどの機能を使用します。
小規模事業所なら二つに分ければよい
ネットワークを細かく分けるほど、管理は複雑になります。
小規模事業所であれば、まずは次の二つで十分です。
- 会社管理端末用の社内ネットワーク
- 来客と私物端末用のインターネット専用ネットワーク
私物スマートフォンを業務では使わず、休憩時間のWeb閲覧などに限るのであれば、来客用Wi-Fiへ接続させる方法で問題ありません。
一方、私物端末で業務メール、クラウドストレージ、社内チャットなどを利用させる場合は、Wi-Fiの分離だけでは不足します。
次の内容も別途決める必要があります。
- 使用できるアプリ
- 保存してよいデータ
- 個人アプリへのコピー可否
- 紛失時の報告方法
- 退職時のデータ削除
- 私物端末を使わない場合の代替手段
社内ネットワークへ接続する必要がある業務は、会社が管理する端末で行う方が明確です。
来客用Wi-Fiで確認すべき設定
来客用Wi-Fiを設定する際は、次の点を確認します。
- 社内LANへのアクセスを禁止する
- 来客端末同士の通信を遮断する
- 社内用とは異なるパスワードを設定する
- WPA2またはWPA3を使用する
- ルーターやアクセスポイントを最新状態に保つ
- 管理画面の初期パスワードを変更する
- 必要に応じて通信速度や利用時間を制限する
設定後は、実際にスマートフォンを来客用Wi-Fiへ接続して確認します。
インターネットへ接続できることだけでなく、複合機、NAS、監視カメラ、ルーターの管理画面へ接続できないことも確認します。
来客用Wi-Fiを提供しない判断もある
来客用Wi-Fiは、必ず用意しなければならないものではありません。
利用頻度が低い場合は、来客自身の携帯回線や、必要なときだけ貸し出すモバイルルーターで対応する方法もあります。
大切なのは、運用を曖昧にしないことです。
提供するのであれば、安全に提供できる構成を用意する。
提供しないのであれば、社員がその場の判断で社内Wi-Fiのパスワードを伝えないよう周知する。
このルールだけでも、不要なリスクを減らせます。
TrusKiteが支援できること
TrusKiteでは、現在使用しているルーターやアクセスポイントを確認し、必要以上に複雑にせず、社内用と管理外端末用のネットワークを分離します。
主な支援内容は次のとおりです。
- 現在のネットワーク構成確認
- 社内用と来客用Wi-Fiの設計
- VLANやゲストネットワークの設定
- 社内LANへの通信遮断
- 来客端末同士の通信遮断
- ルーターやアクセスポイントの選定
- Yamaha機器を使用した構成設計
- 構成図や管理情報の整理
- 導入後の遠隔保守
既存機器で対応できる場合もあれば、対応機器への変更が必要な場合もあります。
まずは現在の構成を把握し、守るべき機器と、接続させる必要のない端末を分けることが重要です。
人を疑うのではなく、端末を分ける
来客も従業員も、自分の端末が完全に安全であると証明することはできません。
会社側も、私物端末や来客端末の状態を管理できません。
だから、最初から接続先を分けます。
会社が管理する端末は社内Wi-Fiへ。
来客端末と従業員の私物端末は、インターネット専用のWi-Fiへ。
この境界があれば、社員も接続先に迷いません。
来客にも安心してWi-Fiを案内できます。
便利さをなくすのではなく、安全に使える形へ整える。
それが、社内Wi-Fiと来客用Wi-Fiを分ける理由です。
※ネットワーク分離の方法や利用できる機能は、ルーター、スイッチ、無線LANアクセスポイントの機種によって異なります。
※来客用Wi-Fiを分離しても、すべての不正アクセス、マルウェア感染、情報漏えいまたは通信障害を防止できるものではありません。